海外

フレッド・カサック

「殺人交叉点」 (2006年8月)(Library)

もうすぐ時効を迎える、10年前に起きたある殺人事件。 殺人犯とみなされ、自らも殺害されたボブをあれほど愛していたルユール夫人でさえ、当時の捜査結果を疑ってはいなかった。 でも、真犯人は……(表題作「殺人交叉点」)。 フランス・エール=ピュール社という観光協会で働くジルベールは、結婚を間近にして大変な問題を抱えていた。 愛人・モニクが妊娠したというのだ! 産むと言い張る彼女は、当然金銭を要求してきた。 そこで、なんとかして職場で昇進する方法を考え出したジルベールは……(「連鎖反応」)。

「連鎖反応」を読みたくて購入しましたが、どちらかと言うと「殺人交叉点」のほうがより楽しめました。 最後の最後まで騙されましたが……(笑)。 ああいうオチは大好きです。 そうとわかって読めば、「なるほど!」という感じ。 再読しても楽しめると思います。 「連鎖反応」は、要するに“因○応○”ということ。 なので、犯罪は止めましょう!

 

アレックス・シアラー

「ラベルのない缶詰をめぐる冒険」 (2007年6月)

“天才少年”ファーガルの趣味は、缶詰蒐集。 しかもそれはただの缶詰ではなく、バーゲン品のワゴンに載せられたラベルのないものに限られている。 ある日、からからと音のする缶詰を見つけたファーガルはそれを購入するが、中に入っていたものは……。 奇妙で不思議でリアルな物語。

読むんじゃなかった……。 と思わせるほど、怖かったです。 ミステリーというよりサスペンスという感じ。 出版社でのカテゴリーはファンタジーで、児童書として書評を書いているサイトもありますが、図書館的には一般書扱い。 確かに、少年少女には刺激が強すぎるかも……。 子供のいる大人が読むなら、“子供の言うことは「忙しいから」とか「またそんなことを言って!」とか言わずにちゃんと聞いてあげないといけない”ということを学んで欲しいと思います。 ディンブル=スミス夫婦はおそらく○○になってしまったのでしょうが、それは自業自得なので気の毒でもなんでもありませんが、そうせざるを得なかった○○たちは可哀相。 これからの人生がまっとうなものになりますようにと願わずにはいられません。

 

「ぼくらは小さな逃亡者」 (2007年7月)

デーヴィとマイクがちょっとしたいたずらのつもりで爆弾花火を投げ込んだビルが大爆発! 驚いてにげようとした二人の前に若い男女が現れ、彼らの車に乗ってにげることに。 二人は無事に家に帰れるのか。

イギリス(正式名称=グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国)がこういうことになっているとは知りませんでした(恥)。 “彼ら”には信念があってやっていることなのでしょうが、それで何かが変わるとは思えないし、変わったとしても同じ方法で覆されるような気がします。 そういう面では平和な日本で暮らしているので“彼ら”の気持ちはわかりませんが、イギリス人だったら考えも変わるのかもしれません。 デーヴィとマイクは、ちょっとしていたずらのつもりが“あんなこと”になってしまい、さぞ驚いたことでしょう。 やっていいことと悪いことの区別を、子供のうちにきちんと学んで欲しいと思います。 最後はちょっと切ないエンディングになってしまいましたが、デーヴィとマイクには“彼ら”の○を無駄にしないように成長して欲しいと思います。

 

クリスチアナ・ブランド

「招かれざる客たちのビュッフェ」 (2006年11)(Library)

第1部・コックリル・カクテル(4編)〜第2部・アントレ(3編)〜第3部・口直しの一品(1編)〜第4部・プチ・フール(4編)〜第5部・ブラック・コーヒー(4編)と続く、英国ミステリの重鎮・ブランドによる美味しい“逸品”料理。 ミステリの真髄を伝える傑作短編集。

なんと! 読了までに足掛け2年を要したなんて恥ずかしくて大きな声では言えません……(笑)。 第2部までを去年のうちに読んでその後ずっと後回しにしてしまい、さすがに今年中に読みたいと思い、今回無事読了に至りました。 長かった〜。 短編集なら読み易いかなと思ったのですが、海外モノを読み慣れていない私にはちょっと荷が重かったようです。 でも、読み出したら結構スムーズに進みました。 どれかひとつを挙げるなら「バルコニーからの眺め」。 同じオチの作品を読んだことがありますが、なぜかいつも気付かないんですよねえ(笑)。 最後の最後まで、見事に騙されました。 もうひとつ挙げるなら「スコットランドの姪」、さらにもうひとつは「ジャケット」。 いかにも“ミステリ”だなあ、という感じ。 いつか、ゆっくり再読したいです。

 

ジョン・ボイントン・プリーストリー

「夜の来訪者」 (2007年3月)(Library)

裕福な実業家の家庭で、娘の婚約を祝う一家団欒の夜に警部を名乗る男が訪れた。 彼はある貧しい女性が自殺したことを告げ、一家全員がそのことに深く関わっていることを暴いていく……。 何度も上演され映画化された、劇作家プリーストリーの代表作。

戸川さんがブログで取り上げていたので読んでみました。 そもそも短いし、戯曲なので読み易かったです。 本で読んでも面白いですが、舞台や映画も観てみたくなりました。 大人よりも子供(と言っても成人してますが)のほうが純粋というか、まともですね。 原因を作ってしまったことは仕方ないとしても、その結果をどう捉えるか、反省するかしないかは大きな問題です。 警部が最後に言った言葉は、常に心に留めておかなければいけないような内容だと思いました。

 

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