加納朋子 (かのう・ともこ)

「ななつのこものがたり」 (2005年10)(Library)

「ななつのこ」で、駒子と瀬尾さんが出会うきっかけになった絵本を再現したもの+α。 絵本なので、当然ながら全ページイラスト入り。 イラストは当然、菊池健(きくちたけし)さん。 とても素敵な絵本ですが、「ななつのこ」を読んでいないとわかりにくいかも、という印象も受けました。 というか、「ななつのこ」と一緒に読むことによって、良さが倍増するというか。 駒子シリーズが完結してしまうのはさみしいですが、最新作を早く読みたくなりました。

 

「モノレールねこ」 (2006年11)(Library)

小学生のサトルは、時々家にやってくるデブで不細工なねこにこっそりエサをやっていたが、ある日お母さんの花壇を荒らしたことがバレて、お父さんと一緒に河原に捨てにいくことになってしまった。 仕方なく捨てて来たが、そのねこはひょっこり戻ってきた。 首に赤い首輪をつけて。 サトルはちょっとした思い付きでその首輪に手紙を挟んでみた。 すると、首輪をつけた人物・タカキから返事が来た。 そこから奇妙な文通が始まるが……(表題作「モノレールねこ」)。 他に、アンソロジーに収録されていた「セイムタイム・ネクストイヤー」「シンデレラのお城」を含む全8編のハートウォーミングな短編集。

待ちに待った新刊! でも、全8編中未読なのは2編だけでした。 なので、読み進むのは早かったです。 もちろん、読み飛ばしたりはしてません。 どの作品も素敵でしたが、一番印象に残ったのは「バルタン最後の日」。 雑誌掲載時に立ち読みしながら思わず泣きそうになった作品です。 何度読んでも泣けますね。 いろいろ泣き所はありますが、特にフータ一家が旅行に出かけている最中の出来事と、帰ってきてからの彼らの行動には泣かずにはいられません。 これからも、いつどんなときに読んでも絶対泣くと思います。 泣かなかったのは「ちょうちょう」くらい。 だからと言ってツマラナイというわけではもちろんありませんが。 「モノレールねこ」では、ねこが○んだと言っては泣き、「シンデレラのお城」ではミノさんが○んだと言っては泣き、「セイムタイム・ネクストイヤー」では、ホテルの人たちの優しさに泣き、「ポトスの樹」では、オヤジの過去の話を聞いては泣き、という感じ。 トシを取って涙腺が緩んでいるのかもしれません(笑)。 次の新刊はいつかな。 駒ちゃんシリーズはどう完結するのでしょう……。

 

「ぐるぐる猿と歌う鳥」 (2007年8月)(Library)

父親の転勤で東京から北九州へ引っ越し、新小学五年生を転校先で迎えることになった高見森(たかみ・しん)。 いじめっ子の乱暴者というレッテルを貼られていた森の転校を悲しむクラスメイトはひとりもいなかった。 そんな森だが、引っ越し先の社宅の子供たち―ココちゃん、あや、竹ちゃん、パックなど―とは、なぜか気が合った。 でも、この社宅には何か秘密があると気付いた森は……。 待望のミステリーランド。

「子供の世界も結構大変なんだなあ」と感じました。 自分が子供の頃を思い出しても遥か昔過ぎてあやふやですが、確かにいろいろなことがあったなあ、と思います。 今は今で大変なことがありますが、昔は昔でそれなりに大変なことがありました。 何がどう大変かは、人それぞれ違うと思うので明確にはできませんが、子供には子供の大変さがあるということを忘れてはいけないと思いました。 理不尽な大人もいますが、森の周りの大人はそんなことなくてよかったです。 一見、「ふざけてるのか」とか「バカにしてるのか」と思うような行動でも、ちゃんと理由があって“あんなこと”をしているんですね。 それを見抜けるかどうかは子供次第というのはちょっと難しいような気もします。 ちゃんと気付けばいいけれど、気付かずにそのまま大人になってしまったら、今度はその子が理不尽な行動を取ってしまうかもしれないから。 態度で示すのも大事だけれど、言葉にすることも大事だと思いました。 サルからの手紙は衝撃的でした。 こんなヒミツをバトンタッチされた森はさぞかし大変でしょう。 でも、ココちゃんやあや、竹ちゃんたちと力を合わせて乗り切ってくれると思います。 彼らが成長してから話にも興味はありますが、その前にまず「ちゃちゃちゃ探偵団」の話をお願いします、加納先生。

 

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