曽根圭介 (そね・けいすけ)

「沈底魚」 (2007年9)

亡命中国外交官によって、大物の沈底魚(スパイ)が日本に潜っているという衝撃情報がもたらされた。 警視庁公安外事二課の不破や若林、五味たちがその捜査に当たるが……。 第53回江戸川乱歩賞受賞の公安ミステリー。

公安モノは好きなほうですが、難しいので実はそんなに読んでいません。 今作は、乱歩賞受賞作ということで読んだわけではなく、あくまでも公安モノということで選びました。 読了してから選評を読みましたが「先に読まなくてよかった」という内容で、「じゃあなぜ受賞作を……」と思ってしまいました。 受賞作なしは第6・1417回のみで、それ以外はダブル受賞も含めて必ず作品を世に送り出しているわけですが、こんな選評しか出てこないなら「そんなに無理しなくても……」というのが正直な感想です。 内容としては、二転三転する事実にはらはらどきどきしながら、「こいつが実は○○○なんじゃないか」とか「こいつがこう繫がってるんじゃないか」などと想像を逞しくしながら一気に読めて面白かったです。 面白かったというには、暴力的な場面もあってちょっと怖い部分もありましたが。 本当に公安は“こんなこと”をしているのかと思うと、「書いちゃっていいのかな」と心配になりました。 一番印象に残ったのは、若林の娘・直恵が言った「マンボウになりたい」という言葉。 若林が水槽の前でボーっとしていたのが気の毒でなりませんでした。

 

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