高田崇史 (たかだ・たかふみ)

「毒草師」 (2007年7)

東京の旧家・鬼田山家で起きた連続失踪事件と、謎の毒物による殺人事件。 事件の謎を解く鍵は「伊勢物語」にあった!? QEDシリーズ第11弾「QED神器封殺」で“傲岸不遜の異才”として描かれた毒草師・御名形史紋(みなかた・しもん)が難事件に挑む。

QEDシリーズ(を含め高田作品そのもの)を1作も読んでいないのに、いきなり今作を読んでしまいました。 大丈夫でしょうか……。 正直に言うと、「伊勢物語」や「古今和歌集」、「オデュッセイア」などは知識もないしあまり興味もなかったので、読んでいて少し苦痛でした。 でも、読み進めていくうちにだんだん引き込まれて読了してしまった、という感じです。 最初から最後の少し手前まで、御名形史紋はあまり好きではありませんでした。 「特に悪気はなく、ただ単にこういう人なんだ」と思えばそれでいいのでしょうが、人の話を聞いていないし、人を小馬鹿にしたような物言いをするし、典型的な“嫌な奴”のような気がしたからです。 でも、最後には西田を○けてくれたし、薬草湯を処方してくれたりして、実はいい奴なのかもしれないと、少し考え方を改めました。 ○○堂と○○君もしくは○○院と○○ちゃんみたいな感じ、でしょうか(笑)。 内容としては、失踪事件の真相よりも、それが起きるに至った真相のほうが恐ろしかったです……。

 

田口久美子 (たぐち・くみこ)

「書店繁盛記」 (2007年3月)

本屋さんの棚には私たちの未来が詰まっている―。 若い書店員の日々の奮闘を通して、本と出版の未来を考える。 現ジュンク堂池袋店副店長の著者が過去や現在、未来を語ります。

私もかつては書店(弱小ですが……)で働いていたので、おっしゃりたいことはだいたいわかります。 「そうそう! こういう人は困るのよね」とか「もっと初回配本を回して欲しかったです、取次さん!」とか、都会の大型書店さんとは比べるべくもない小さな書店でも、同じような悩みがあるんだなあ、としみじみ感じました。 もちろん、桁は全然違いますが……(笑)。 ただ、内容的には書店員の立場で読むか客の立場で読むかで賛否両論だと思います。 内情を知らない人が読んで「へえ、そうなんだ。 書店も大変なのねえ」と思っていただければ幸いですが、そうでない場合はちょっと不満を感じるかもしれません。 私は、“万引き”や“売り物である本の上に平気でものを乗せる人や座る人”に実際に悩まされたので田口さんの言い分はわかるつもりです。 アマ○ンやセ○ンアンド○イでは在庫があれば数日で商品が届くようになっているので、出版社→取次→書店という配送ルートを辿ることを知らないお客様が「なぜ2週間もかかるんだ」と思うのは当然でしょう。 客注トラブルも、ここまでのことはありませんでしたが似たような経験はしています。 確かにお客様あっての書店ですが、客であるということを笠に着て、何をしても許されると思っている人は間違っていると思います。 完全に書店側に非があるとしても、「そこまで言って自分で気分が悪くならないのか。 自分がその立場になったときはどうするのか」と思うような人はいますよね。  「自分がその立場に置かれたときのことを考えればそこまでひどいことは言えないんじゃないの?」とまったく無関係でも言いたくなることはたま〜にあります。 自分は間違っていなくても、利用していただくという立場から謝罪しなければならなかったりすることもあるし。 世の中、言ったもん勝ち・やったもん勝ちと思うのは悲しいことですが、それが現実かもしれません……。

 

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